現代社会と人(82)

宮川貴善先生がなくなられて7年になる毎年開かれる宮川先生の奥様を囲む会が3月26日恵比寿ガーデンヒルズで行われた。是非伺うべく心していたが、風邪と花粉症でダウンして当日朝、宮川先生の奥様にお電話でお詫びのご挨拶をした。お世話役の伊藤良一幹事には電話を入れたが出社後で伊藤夫人に連絡して許しをいただく。

後になり考えると父酉雄であれば這ってでも出席したであろう。私も同様なのだが、今回はとても精神が萎えていて、これは如何ともしがたく大事をとることにした。

この会は皮膚、血、波長が合うのが不思議である。これは親子二代の厚諠の歳月のお陰もあり、宮川先生のお弟子さんの集まりなので同憂、同根の思いなのであろう。

不思議なことに宮川先生は2月20日に亡くなられたが、父は11月20日、私の誕生日は4月20日、記念日は9月20日、息子も同じ20日、20の日はえにしある日のようである。

毎朝のお参りには亡くなった方に挨拶をするのが日課だが。先祖、先人あっての自分と思っているが、「あいだみつを」は、それを詠んでいる。

父と母で二人

父と母の両親で八人

こうしてかぞえてゆくと

十代前で千二十四人

二十代前では――――――?

なんと百万人を越すんです

過去無量の

いのちのバトンを受けついで

いま ここに 自分の番を生きている

それが あなたのいのちです

それが わたしのいのちです

ところが、今日の社会の劣化はすさまじい、親が子を殺し、子が親を殺す、友が友を殺す。この、あいだみつをの詩を静かによむと、この無残さをどのように克服し、人間再生することが出来るのか、どうしたら良いのか、考えさせられる。宮川先生が時代は青年にありとJYCに執念を燃やしたが、今、残る我々は何に取り組むべきだろう。

毎朝、新聞を開くとどこかで、誰かが殺されている。だんだん、こんなことで良いのかと心配したのが、だんだん慣れて不感症になっていくのが恐い。

自分の家庭、生活圏のなかで人間ルネサンス活動をする以外ないのであろうか。NHKの「ご近所の力」も、その一つである。教育は人格、能力、健康を創るのが基本であるので、ゆとり教育は間違いであった。ゆとりは環境の問題、心のありようの問題であるので、問題の本質が外れてしまった。新宿にある小学校の女性校長がゆとりでも学力を落とす訳にはいかないと補修授業を自ら取り組んでいるのが伝えられていたが、それが実情を良く表している。ゆとり教育の認識は何故生まれたのか、原因把握が必要である。アメリカは学力重視に踏み切っただけに皮肉である。

宮川先生は真面目のなかに、とっぽいところがあり、ユーモアがあり、心の交流が青年の心を魅了したのであろう。亡くなるときは事前に役職を次ぎ次ぎに止められていたが、JYC(ジャパンヤングサークル)の会長だけは引かれず、それを心に抱いて旅立ちをされた。未来は青年にあり、未来は教育にありに徹していたことが、この一事で良く分かる。教育と次世代には情熱、献身の心をもって取り組んでいたのである。

JYCのメンバーは男女を問わず話がうまい、宮川節直伝である。それは自分を語るので共感と実感がある。人ごとではなく空間、時間のギャップを埋め一体感をもつことが出来る。一般的には他人行儀できれい事で白けてしまう。JYCの人は、そこに自分がいるので、心の機微を掴むので上手下手に関係なく話しが生き生きとしている。でも、だいぶいい年で第二の人生に踏み込んだ人も目につく。これも自然の事で行雲流水の如しである。次世代に伝えることは伝えないといけない。

            入 学 式

4月8日は川越の東京国際音楽療法専門学院(高口邦輔理事長)の入学式に出席したが、来賓として挨拶を述べた。3月の卒業式は風邪と花粉症でひどくて欠席したので病院にも行き入学式は出席できるよう対応を怠らずに行う。外出すればその都度うがいをする、そこまでこだわって出席したのは、入学式に出席すると青年に会えるので時代を感ずることが出来るからである。

スポーツの世界で日本人は互角に競技に参加できるのに何で政治、経済は互角に競争出来ないのだろう。昨年、アテネオリンピックで体操が28年ぶりに優勝した。原理原則にもどれで、基本と美しい体操に集中注力した。それは着地が悪ければ全ての得点がダウンする。高い技術を懸命に行って着地で乱れれば得点は大きく減点される。

高度な技術よりも基本技術の確かさと美しい体操が28年ぶりの金メダルをもたらした。これは政治も経済も世界で存在感を創るのは必要であるが、この世界は情報を正確に世界に発信することが大切である。ODAは国別、年度別、累計表を此処20年を新聞紙上で今からでも発表すれば、日本がどれだけ世界に貢献しているか世界が認識する。中国の事をフジテレビが取り上げていたが7兆円に及んでいる。“愛国無罪”のデモは、この情報発信を20年前から行っていれば状況は大きく変わっている。情報は自己存在をつくる。

この学校は音楽療法士を養成する専門学校であるが、時代の要請が強く、この近年社会が注目している。障害児、高齢者が音楽の心身治療をすることで情緒の安定を生み人間再生に役たつことが認められるからである。
20世紀は成長と拡大の時代であったが、21世紀は心と感性と存在感の時代であるが、成長の陰に見落とされている人間そのもののありかたが、問われる時代である。

2005年4月25日

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